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マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とその対策

マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とその対策|茅ヶ崎市のアンジェス動物病院|土日祝診療可で安心のペットケア

2026年2月26日

マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とその対策

大切な家族の『声なきサイン』を見逃さないために。
神奈川県茅ケ崎市、アンジェス動物病院 院長 獣医師の朝岡紀行です。


近年、日本で「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者数が過去最多となり、注目を集めています。
SFTSはマダニが媒介する感染症で、特に西日本で多く報告されてきましたが、
最近では東日本や北海道でも感染例が見られるようになりました。
その背景には、渡り鳥によるマダニの移動や、気候変動による南方系マダニの活動範囲の拡大があると考えられています。

マダニの種類と感染経路

日本には約50種のマダニが生息していますが、SFTSを媒介するのはフタトゲチマダニなど5~6種に限られます。
これらのマダニは主に南方系で、従来は西日本に集中していました。
しかし、最近は野生動物の活動域が広がり、市街地でもクマの目撃例が増えていることから、マダニの活動域も拡大していると推測されています。


感染経路は、動物がSFTSウイルスを血液内に持っている場合、
その動物に付着したマダニがウイルスを吸収し、次に人を刺すことでウイルスが人の体内に入ります。
ペットの犬や猫も感染することがあり、特に猫は重症化しやすく、高熱や衰弱が見られます。
動物病院の獣医師が診察中に猫の体液に触れて感染するケースも報告されています。

症状と診断のポイント

SFTSの人における主な症状は、高熱、嘔吐、下痢などです。
しかし、これらの症状はノロウイルス感染症や熱中症と似ているため、最初は別の病気と疑われることが多いです。
農作業やハイキングなど野外活動をした後に症状が出た場合は、医師にその旨を報告し、念のため血液検査を受けることをおすすめします。
血液検査で白血球や血小板が減少している場合、SFTS感染が疑われます。

マダニに刺された時の対処法

もしマダニが皮膚に付着しているのを発見した場合、慌てずに皮膚科を受診し、医師に取り除いてもらうことが重要です。
無理に自分で取ろうとすると、マダニの口器が体内に残る可能性があり、感染リスクが高まります。

予防策と日常でできること

マダニはササ類や草地で待機し、主に足元に付着します。森や林に入る際は、長袖・長ズボンを着用し、虫除けスプレー(ディートやイカリジンなどの忌避剤入り)を靴やズボンの裾にしっかり噴霧することが効果的です。
野外活動後は、体や衣服をよく確認し、マダニが付着していないかチェックしましょう。

正しい知識と冷静な対応が大切

マダニによる感染症は、正しい知識と冷静な対応が何よりも大切です。
症状が出た場合やマダニに刺された場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。
また、ペットを飼っている方は、動物病院での定期的な健康チェックや予防策も忘れずに行いましょう。

このブログ記事が、マダニによる感染症への理解と予防に役立つことを願っています。


執筆者:朝岡紀行(獣医師)
神奈川県茅ケ崎市のアンジェス動物病院院長。
統合医療を中心に、予防医療から高齢動物医療まで幅広く診療を行っています。飼い主様と丁寧に向き合う診療を大切にしています。

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