コロナ・パンデミックのその先へ〜食卓の選択が、次のパンデミックを左右する〜|茅ヶ崎市のアンジェス動物病院|土日祝診療可で安心のペットケア

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コロナ・パンデミックのその先へ〜食卓の選択が、次のパンデミックを左右する〜

コロナ・パンデミックのその先へ〜食卓の選択が、次のパンデミックを左右する〜|茅ヶ崎市のアンジェス動物病院|土日祝診療可で安心のペットケア

2026年3月29日

コロナ・パンデミックのその先へ〜食卓の選択が、次のパンデミックを左右する〜

最終更新 : 2026年3月 (2020年記事を再編)

この記事は2020年に執筆したものですが、2026年現在の最新データと社会情勢に合わせて、
全面的に加筆・修正したものです。


  

大切な家族の『声なきサイン』を見逃さないために。
神奈川県茅ケ崎市、アンジェス動物病院 院長 獣医師の朝岡紀行です。


新型コロナウイルスという未曾有の経験を経て、世界は「日常」を取り戻しました。
しかし、科学の世界では、これはあくまで序章に過ぎないと指摘されています。
「次なる脅威」の震源地になると言われているのは、意外にも私たちの食卓の裏側。
獣医師の視点から、私たちが今、真に向き合うべき課題を考えます。

「いつか」ではなく「いつ起こるか」の時代

新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらした世界的パニックは、
私たちの記憶に深く刻まれています。
しかし、公衆衛生やウイルス学の専門家たちの間では、
今後さらに致死的で感染力の強いウイルスによるパンデミックが起こる可能性が、
極めて高い確率で指摘され続けています。

もはや「起こるかもしれない」という楽観的な予測ではなく、
「それは、いつ起こるのか」という切実な問いとして、私たちは準備をしなければなりません。

そして、その発生源として最も危惧されているのが、
私たちが日常的に消費する肉類を供給する現場——いわゆる「工場式畜産」の環境なのです。

工場式畜産に潜む「三密」のリスク

本来、ウイルスや細菌の多くは、自然界の中で野生動物と静かに共存しています。
しかし、そのバランスが崩れる場所があります。
それが、大量の畜肉を供給するために作られた、過密な飼育環境です。

畜産工場の内部は、ウイルスにとってこれ以上ない「格好の繁殖場」となっています。

・密集: 狭い空間に大量の個体がひしめき合っている。
・閉鎖: 日光が入らず、風通しが悪い。
・不衛生: 大量の排泄物管理が難しく、ネズミやハエが野生動物の病原体を運び込む。

この「三密」の条件が揃った過酷な環境下で、
動物たちは極度のストレスにさらされ、免疫力が低下しています。
日本国内でも、養鶏場での鳥インフルエンザや養豚場での豚熱など、
集団感染による全頭処分という痛ましいニュースが絶えません。
これは決して他人事ではなく、
ウイルスが大規模に「増殖・変異」するための巨大な実験場を、
私たちが社会の中に維持していることを意味しています。

 変異するウイルス:鳥からヒトへの道筋

特に警戒すべきは、コロナウイルスと同じく変異を起こしやすい「RNAウイルス」である
鳥インフルエンザウイルスです。

本来、水鳥の腸内に感染していたこのウイルスは、
畜産工場という特殊な環境で陸上動物に感染を広げる過程で、恐ろしい進化を遂げます。
本来の宿主ではない動物の体内で、
腸以外の臓器にも感染できるよう「変異」した個体が生き残るのです。

これが繰り返されることで、
やがてヒトに対しても高い病原性と感染力を持つ「新型」が誕生します。
世界中にある畜産工場や、
生きた動物が過密状態で売買されるウェットマーケット(生鮮市場)こそが、
次なるパンデミックのスタート地点になりうると警鐘が鳴らされているのです。

解決の鍵は「私たちの選択」にある

では、次のパンデミックを防ぐために、私たちは何をすべきでしょうか。
その答えの一つは、現在の「工業的畜産」に依存しすぎた食のあり方を見直すことです。

もちろん、今すぐ世界中の人々が肉を食べなくなることは現実的ではありません。
しかし、以下のような新しい「食の選択肢」が、驚くべきスピードで普及し始めています。

・植物肉(プラントベースフード): 大豆やえんどう豆を主原料とし、肉の食感や味を再現。
・培養肉: 細胞再生技術を応用し、生きた動物を屠殺することなく肉を生産する。

これらの技術は、環境負荷を下げると同時に、
ウイルス感染のリスクを切り離す「グリーン・リカバリー」の象徴とも言えます。
しかし、技術以上に大切なのは、
私たち一人ひとりの「食に対する考え方」そのものを改めることです。

深刻な食料廃棄(食品ロス)の問題を放置したまま、
より安く、より大量の肉を求める……。
この「飽食の連鎖」が、巡り巡ってパンデミックのリスクを高めているという事実を、
私たちは直視しなければなりません。

 「動物性たんぱく質」との新しい向き合い方

かつて、肉は「ごちそう」であり、特別な日の栄養源でした。
しかし、今の私たちは、動物性たんぱく質を過剰に摂取する時代を生きています。

これからは、自分やペットの健康を管理するように、
地球全体の「健康バランス」を考えて食を選ぶ。
そんな意識が必要な時代です。
「特に動物性たんぱく質の過剰な摂食を控え、命に感謝していただく」という
古くて新しい価値観が、私たちの命を守るための最も有効な防衛策になるのかもしれません。

最後に

パンデミックは、ある日突然降りかかる「不運」ではなく、
私たちの社会構造や食習慣が招き寄せた「結果」という側面を持っています。

次なる脅威をただ怖がるのではなく、
自分たちのできる範囲で、そのリスクを少しずつ減らしていくこと。
それは、特別なことではなく、今日の食卓をどう囲むかという日常の積み重ねです。

何が正しい選択なのかを悩み、考えながら、
一つひとつの「命」を大切にする暮らしへと、
少しずつ変えていってみませんか。


執筆者:朝岡紀行(獣医師)
神奈川県茅ケ崎市のアンジェス動物病院院長。
統合医療を中心に、予防医療から高齢動物医療まで幅広く診療を行っています。飼い主様と丁寧に向き合う診療を大切にしています。

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