2026年1月07日

少しでも伝わり易いようにがん治療を例にお話します。がんの治療では、標準治療(手術、化学療法、放射線治療)が基本となります。
現在、抗がん剤に対する偏見によって、効果のある治療を放棄してしまう飼い主が少なからず居ることは問題でしょう。「抗がん剤は副作用が苦しいからペットに辛い思いをさせるだけだ」と思い込んでいる飼い主が、抗がん剤治療を拒否してしまうのです。
これは大きな誤りです。もちろん、『抗がん剤が効くがんと、効かないがん』があるのは事実です。また、がんの種類によって抗がん剤の種類も異なり、副作用も様々です。しかし、抗がん剤の副作用には色々な方法で対応がなされ、苦しいながらも頑張って、元気を取り戻せることももちろんあります!
放射線治療の役割と副作用への対応
また、標準治療の放射線治療は高額であるし、実施できる施設も極めて限られます。それに、「副作用が強くて大変だから受けさせたくない」という人がやはり多いようです。
たしかに皮膚炎がひどくなってやけどのようになり、引っ搔いてしまったり、口内炎、潰瘍などの消化管障害、骨髄抑制、脱毛など様々な副作用が出ます。けれども、放射線治療がとても良く効く場合も多くあります。
獣医療では、抗がん剤、放射線ともに手術との組み合わせで、治療効果を万全のものにするために行うことが多いです。
副作用については、漢方薬や高濃度ビタミンC点滴などによる治療で、とても軽く抑えることが可能と思われます。
標準治療を優先すべき理由
「標準治療では、もうできる治療がありません」と主治医から言われた場合は別ですが、標準治療で”打つ手”があるときにはまずそちらを優先させてください。
一番大きな過ちは、標準医療を拒否して初めからいわゆる民間療法に頼るということです。
がん治療に限らずインターネットで検索をすると、いかにも効果がありそうな宣伝文句を並べている動物病院も少数ではありますが存在します。『全く副作用がなく、治療効果も高い』というイメージを持ってしまいそうになりますが、こういった治療だけを受けても治るという保証はありません。
それに、どうしても費用は高額になりがちです。効果がないわけではないと考えますが、そのような治療を取り入れるにしても、標準治療を受けるということが前提であると考えます。
当院の考え方と代替医療の役割

これはがん治療だけでなく、全ての疾患の治療に対して言えることです。現在、日本の獣医療は世界と比較しても遜色のない高い水準の治療を受けることが可能と言えます。
当院では漢方をはじめとした代替医療を積極的に取り入れておりますので、当院をご存じの方は意外に思われるかもしれませんが、まずは標準治療を受けることを第一選択としてください。
もちろん、健康維持や健康増進(養生)には代替医療を一番にお奨めしています。
~毎日を人とペットのWell-beingな生活に~、Wellbe Laboでした❣