2026年2月19日

大切な家族の『声なきサイン』を見逃さないために。
神奈川県茅ケ崎市、アンジェス動物病院 院長 獣医師の朝岡紀行です。
初めてペットが心臓疾患と診断された時、戸惑いや不安でいっぱいになる方も多いでしょう。
「何をすればいいの?」「どんな検査が必要なの?」そんな疑問に、少しでも寄り添えるよう、心疾患の管理についてまとめました。
基本となる4つの検査
心疾患の管理でまず大切なのは、状態に応じて適切な検査を受けることです。基本となるのは以下の4つです。
・血圧測定
・心電図検査
・胸部エックス線検査
・心臓の超音波検査
これらは、ペットの心臓の状態を把握するための「基本セット」と言えます。
全身状態が悪い場合は、動脈血酸素飽和度や血液検査も組み合わせて行うことがあります。また、病院での検査だけでなく、自宅での様子や身体検査所見も重要な情報となります。
治療内容の決定は「症状」がポイント
検査データだけで治療内容を決めるのではなく、身体検査や臨床症状を重視して治療方針を変更することもあります。
例えば、ペットの呼吸状態や活動性、食欲など、日常の様子が大切な判断材料になります。
自宅での呼吸数チェックが命を守る
経過観察で特に重要なのが、「安静時の呼吸数」です。
ぐっすり寝ている時の呼吸数を測ることで、心臓の状態を把握できます。
呼吸数の上昇は命の危険に直結するため、睡眠時に何度も測定し、きちんと測れるよう練習しましょう。
✅1分間の呼吸数が30回未満なら問題なし
✅30~40回なら早めに病院へ
✅40回以上ならすぐに受診を!
この目安を覚えておくことで、急変時にも冷静に対応できます。
検診のタイミングとお薬について
心疾患の初期ステージでは、年2~3回の検診(4か月~半年ごと)が一般的です。
定期的な検診で状態を把握し、必要に応じて治療を進めていきます。
最初に始めるお薬は、心臓を効率よく動かせるようにするものです。
これにより、血液が体中により効率よく届けられるようになります。お薬の種類や量は、ペットの状態や症状に合わせて調整されます。
飼い主さんができること
心疾患と向き合う上で、飼い主さんができることはたくさんあります。
日々の様子を観察し、呼吸数を測ること。異変を感じたらすぐに病院へ相談すること。
検査や治療の内容を理解し、ペットの負担を減らす工夫をすることです。
不安な時は、獣医師に遠慮なく質問しましょう。
ペットと一緒に、心疾患と向き合う日々を少しでも穏やかに過ごせるよう、飼い主さんの「気づき」と「行動」が大切です。
心疾患は決して珍しい病気ではありません。早期発見と適切な管理で、ペットのQOL(生活の質)を守ることができます。
愛するペットのために、今日からできることを始めてみましょう。
さらに詳しい内容や、実際の検査・治療の流れについて知りたい場合は、お気軽にご相談ください。
