2026年4月25日

大切な家族の『声なきサイン』を見逃さないために。
神奈川県茅ケ崎市、アンジェス動物病院 院長 獣医師の朝岡紀行です。
シニア期に気をつけたい筋肉低下のサインと予防ケア【中医学的視点】
近年、犬や猫の寿命が延びる一方で、
「高齢になってからの足腰の衰え」に悩む飼い主さんが増えています。
その原因の一つが サルコペニア です。
このブログでは、
• サルコペニアとは何か
• 犬や猫に現れるサイン
• 西洋医学と中医学、それぞれの考え方
• 今日からできる予防とケア
を、出来るだけ分かりやすく解説していきます。
サルコペニアとは?|犬や猫にも起こる筋肉量の低下
サルコペニアとは、
加齢にともなって筋肉量や筋力が低下する状態を指します。
これは人間だけでなく、犬や猫にも起こる加齢変化です。
単なる「年のせい」と思われがちですが、
進行すると以下のようなリスクがあります。
• ふらつく
• 転びやすくなる
• 活動量が極端に減る
• 寝たきりにつながる
👉 早く気づき、ケアを始めることがとても大切です。
こんな症状は要注意|犬・猫のサルコペニアサイン
次のような変化はありませんか?
• 以前より動きたがらない
• 散歩や遊びを嫌がる
• 階段や段差を避ける
• 立ち上がりに時間がかかる
• 背骨や骨盤が目立つ
• 元気がなく、疲れやすい
これらは
「ただの老化」ではなく、体のバランスが崩れてきたサイン
である可能性があります。
西洋医学と中医学の違い|サルコペニアの捉え方
西洋医学的な考え方
• 高タンパクな食事
• 筋力維持のための適度な運動
これらはとても重要ですが、
それだけでは改善が難しいケース もあります。
中医学的な考え方
中医学ではサルコペニアを、
筋肉だけの問題ではなく、体全体の衰えの表れ
と捉えます。
ポイントは
✅ 「気・血・津液」のバランス
✅ 「脾」と「腎」のはたらき
です。
中医学の基本|気・血・津液とは?
中医学では、体は次の3つで支えられていると考えます。
• 気(き):体を動かすエネルギー
• 血(けつ):筋肉や臓器に栄養を運ぶもの
• 津液(しんえき):体を潤す水分・体液
筋肉を保つためには、
気と血が十分にあり、スムーズに巡ること
が欠かせません。
サルコペニアは、
この巡りが弱くなった状態とも言えます。
サルコペニアと関係が深い「脾」と「腎」
脾(ひ)の役割
• 食事から 気と血を作り出す
• 栄養を全身に届ける
脾が弱ると、
• 栄養がうまく使えない
• 筋肉に力が入らない
• 疲れやすくなる
といった状態になります。
腎(じん)の役割
• 成長・老化・生命力を司る
• 足腰や骨・筋肉と深く関係
👉 シニア期のサルコペニアは、腎の衰えが大きく関係しています。
今日からできるサルコペニア予防ケア
無理のない運動が大切
「筋肉をつけなきゃ」と無理をすると逆効果です。
おすすめは
• 犬:短めの散歩、ゆるやかな坂道
• 猫:おもちゃ遊び、キャットタワーの昇り降り
👉 ポイントは
「少し動いたくらい」「疲れすぎない」こと。
生活環境を整える
中医学では、暮らし方もとても重要です。
• 冷え対策:冷えは気血の巡りを悪くする
• 休養と活動のバランス
• 安心できる環境づくり(ストレス軽減)
特に高齢の犬や猫には
👉 「冷やさない・無理をさせない」を意識しましょう。
まとめ|筋肉ケア=体全体のケア
犬や猫のサルコペニアは、
単なる筋力低下ではなく
気・血・内臓機能の衰えが重なった状態
です。
運動や食事だけでなく、
体の内側から整えるケアを意識することで、
愛犬・愛猫の健康寿命を延ばすことができます。
今日の小さなケアが、
これからの毎日を支えてくれます!!
