犬猫の“腸活”は全身の健康づくり|茅ヶ崎市のアンジェス動物病院|土日祝診療可で安心のペットケア

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犬猫の“腸活”は全身の健康づくり

犬猫の“腸活”は全身の健康づくり|茅ヶ崎市のアンジェス動物病院|土日祝診療可で安心のペットケア

2026年6月30日

犬猫の“腸活”は全身の健康づくり

大切な家族の『声なきサイン』を見逃さないために。
神奈川県茅ケ崎市、アンジェス動物病院  院長 獣医師の朝岡紀行です。

犬猫の一次診療とともに、獣医療の可能性を広げるため、現在は馬の臨床研究にも携わっています。


「お腹の調子」は、便の状態だけでなく、
皮膚、免疫、代謝、そして全身の健康にも関わっています。
腸の中には多くの細菌がすみ、
食べ物を分解したり、体に役立つ成分を作ったりしています。
この腸内細菌の集まりを腸内細菌叢
いわゆる腸内フローラと呼びます。

犬や猫でも、腸内細菌のバランスが乱れると、
下痢や嘔吐などの消化器症状だけでなく、
慢性的な炎症やアレルギー、体調不良に関係する可能性が指摘されています。
腸内環境を整えることは、毎日の健康管理の大切な土台です。

腸は“消化する場所”だけではありません

腸内細菌は、犬や猫が自分では十分に分解できない成分を利用し、
その代謝産物を通じて体に影響を与えています。

バランスが良い状態では、腸と細菌はお互いに助け合う関係にあります。
一方で、細菌の種類や量のバランスが崩れた状態は
ディスバイオーシス」と呼ばれ、
腸の働きに悪影響を与えることがあります。

たとえば、腸のバリア機能が弱くなると、
本来なら体内に入りにくい細菌由来の物質が入り込みやすくなります。
すると免疫が刺激され、炎症を起こす物質が作られやすくなります。

炎症は、体を守るために必要な反応です。
しかし、弱い炎症が長く続くと、細胞や組織に負担がかかります。

人の医療では、慢性炎症ががんの発生や進行に関わることが知られており、
腸内環境との関係も研究されています。
犬猫でも、腸内細菌と炎症、消化器疾患、皮膚疾患
などの関連が少しずつ明らかになってきました。

つまり、腸は単なる消化器官ではなく、
免疫や全身状態とつながる重要な場所です。
便の状態、食欲、体重、皮膚のかゆみ、元気の有無などは、
腸内環境を考えるうえで大切なサインになります。

腸内細菌が作る“体にうれしい成分”

腸内細菌が作る代表的な有益成分に、短鎖脂肪酸があります。
酢酸、プロピオン酸、酪酸などがあり、
主に食物繊維を腸内細菌が発酵することで作られます。

短鎖脂肪酸は腸の細胞のエネルギー源になり、
腸粘膜のバリア機能を支え、
炎症を抑える方向に働くと考えられています。

特に酪酸は、腸の上皮細胞を元気に保つうえで重要です。
また、免疫の過剰な反応を落ち着かせる細胞の働きにも関係します。

人の研究では、短鎖脂肪酸と大腸がん、炎症性疾患との関連が注目されています。
犬猫でも、慢性腸疾患やアレルギー性疾患の犬で
短鎖脂肪酸の低下が報告されており、
腸内環境を評価する手がかりとして期待されています。

一方で、腸内細菌の働きは常に良いことばかりではありません。
脂質の消化に関わる胆汁酸は、腸内細菌によって別の形に変えられ、
その一部は腸の細胞に負担をかける可能性があります。
だからこそ、特定の菌だけを増やすというより、
多様な菌がバランスよく存在することが大切です。

飼い主さんが見ておきたいサイン

最近では、犬の腸内細菌の多様性が
健康状態と関連するという大規模データも報告されています。
加齢、食事、生活環境、薬の使用、ストレス
などは腸内環境に影響します。

高齢の犬猫、慢性的に便がゆるい子、皮膚トラブルを繰り返す子では、
腸の状態にも目を向けてみる価値があります。
✅便の硬さ、回数、においを記録する
✅食欲、体重、元気の変化を見る
✅食事は急に変えず、体質や年齢、病気に合ったものを選ぶ
✅食物繊維、プレバイオティクス、プロバイオティクスは、
 必要に応じて獣医師に相談する

持病がある、下痢や嘔吐が続く、血便がある、体重が減る場合は、
自己判断でサプリメントやフードを変え続けず、
早めに動物病院へ相談してください。
腸を整えることは、犬猫の毎日を支える身近な健康管理です。
小さな変化に気づき、無理なく続けられるケアを一緒に探していきましょう。


執筆者:朝岡紀行(獣医師)
神奈川県茅ケ崎市のアンジェス動物病院院長。
犬猫のホームドクターとして、
統合医療や高齢動物医療に深く携わる傍ら、
「犬猫の一次診療動物病院院長×馬も診る総合獣医師」としての
ビジョンを掲げ、現在は馬の臨床分野における
知見とネットワークを拡大中。
数年後の「小動物から馬までを網羅する総合獣医療体制」
~Anges Horse Wellness Care Service~
の確立に向け、日々の診療と研究を重ねています。

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