災害時にペットを守るために――能登の教訓から学ぶ「本当の備え」とは|茅ヶ崎市のアンジェス動物病院|土日祝診療可で安心のペットケア

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災害時にペットを守るために――能登の教訓から学ぶ「本当の備え」とは

災害時にペットを守るために――能登の教訓から学ぶ「本当の備え」とは|茅ヶ崎市のアンジェス動物病院|土日祝診療可で安心のペットケア

2026年1月31日

災害時にペットを守るために――能登の教訓から学ぶ「本当の備え」とは

大切な家族の『声なきサイン』を見逃さないために。
神奈川県茅ケ崎市、アンジェス動物病院 院長 獣医師の朝岡紀行です。


2024年に発生した能登半島地震。
その被災現場からの報告は、私たち飼い主と獣医療関係者に、
非常に重要な示唆を与えてくれました。

ある避難所では、被災した動物たちのために
冷暖房完備のトレーラーハウスが設置され、
犬と猫のスペースを分け、クレートやケージも完備するという、
手厚い受け入れ体制が整えられました。
しかし、実際にこの施設を利用したのは、
わずか大型犬1頭が一晩だけだった
という事実が明らかになりました。

なぜ、優れた施設が活用されなかったのか。
そこには、災害時における
「飼い主様の心理」と「日常の準備」という
大きな課題が隠れていました。

施設があっても避難できない?「心のハードル」

後日のアンケートで浮き彫りになった利用を控えた理由は、次のようなものでした。

「狭いケージの中に入れるのはかわいそう」
「普段入れたことがないので、大人しくできるか不安」

どれだけハード(避難施設)が整っていても、
ソフト(飼い主様の意識とペットのトレーニング)が伴っていなければ、
非常時にペットを守ることはできない。
能登の事例は、私たちにそう教えてくれました。

継続が育む「地域の防災力」

一方で、2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた
宮城県沿岸の自治体などでは、現在も毎年欠かさず
「同行避難訓練」や「避難所での預かり訓練」が
続けられているそうです。

こうした継続的な取り組みがある地域とそうでない地域では、
いざという時の判断力やペットの適応能力に大きな差が生じます。
防災意識の格差は、そのまま「守れる命の数」に直結するのです。

南海トラフへの備え ― 「ハウトレ」は究極の愛情

近年、南海トラフ巨大地震への警戒が一段と強まっています。
避難用具の点検も大切ですが、
獣医師として今すぐ始めていただきたいのは、日常の中でのトレーニングです。

ハウストレーニング(クレート訓練): ケージを「閉じ込める場所」ではなく、
自分だけの「安心できる寝室」だと認識させること。
首輪・リードトレーニング: パニック時でも確実にコントロールできるよう、
日常から慣らしておくこと。

もしペットがクレートに慣れていれば、避難所でのストレスは激減します。
それはペットのためだけでなく、
飼い主様自身の「避難への迷い」を消し、迅速な行動を可能にします。

飼い主に求められる「自助」と「準備」

災害はいつ、どこで起こるか分かりません。
だからこそ、ペットの命に責任を持つ飼い主として、
日頃から「防災力」を高めておく必要があります。

備蓄の再確認: 療法食や常備薬を含め、最低でも1週間分は確保しましょう。
疑似体験: 一度、ペットをクレートに入れて車で移動したり、
避難所まで歩いてみるなどのシミュレーションを行ってください。

最後に

「かわいそうだからケージに入れない」という優しさが、
非常時にはペットを危険にさらす原因になってしまうことがあります。
本当の優しさは、
どんな環境でも愛犬・愛猫がリラックスして過ごせるように導いてあげることです。

今一度、ご家族の防災意識を見直し、今日からできる一歩を始めてみませんか。
私たち動物病院も、避難時の健康管理やサプリメントの備えなど、
皆さまの「守る力」を支えるお手伝いをさせていただきます。


執筆者:朝岡紀行(獣医師)
神奈川県茅ケ崎市のアンジェス動物病院院長。
統合医療を中心に、予防医療から高齢動物医療まで幅広く診療を行っています。飼い主様と丁寧に向き合う診療を大切にしています。

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