犬のがん検診という選択肢―「何もない今」だからこそ考えてほしいこと|茅ヶ崎市のアンジェス動物病院|土日祝診療可で安心のペットケア

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犬のがん検診という選択肢―「何もない今」だからこそ考えてほしいこと

犬のがん検診という選択肢―「何もない今」だからこそ考えてほしいこと|茅ヶ崎市のアンジェス動物病院|土日祝診療可で安心のペットケア

2026年5月08日

犬のがん検診という選択肢―「何もない今」だからこそ考えてほしいこと

大切な家族の『声なきサイン』を見逃さないために。
神奈川県茅ケ崎市、アンジェス動物病院 院長 獣医師の朝岡紀行です。


愛犬の健康について、普段どれくらい意識していますか?

食欲もあって、散歩もいつも通り。
特に変わった様子がなければ、
「うちの子は大丈夫」
と思うのは自然なことです。

しかし、犬の病気、特に
がんは症状が目に見える頃には進行しているケースが少なくありません。

犬も年齢とともに、がんのリスクは高まります

人と同じように、犬も年齢を重ねるにつれてがんのリスクは高まります。
それでも一部の飼い主さんは、
「具合が悪くなってから病院に行けばいい」
「検査は何かあったときで十分」
と考えがちです。
 
これは、「病気になってから治す」という
日本人全体に多い考え方とも重なります。
健康や医療の情報を事前に知り、活用する力、
いわゆるヘルスリテラシーの低さが背景にあるとも言われています。
 
医療費が高い米国などでは、
「自助努力による疾病予防」の意識が強いですが、
国民皆保険制度が整備された日本では、
「病気になってから治療する」「医療は医師に頼るもの」
と考える人が多いことが理由だと考えられています。

ヘルスリテラシーが低いことの一例として、
(人間の)「がん検診」の受診率の低さがあります。
日本人は諸外国に比べ、がん検診の受診率が低いことが分っています。

犬のがん検診は「確定診断」ではありません

ここで誤解されやすいのが、犬のがん検診の位置づけです。

犬のがんリスク検査は、
「今がんがあるかどうか」を確定する検査ではありません。

将来的にがんが発生する可能性や、
体の中で起きている変化のサインを捉え、
リスクを推定するためのスクリーニング検査です。

つまり、結果は「白か黒か」を決めるものではなく、
次にどう行動するかを考えるための材料
になります。

結果が出た後にできること

検査結果に異常が示唆された場合は、
画像検査や追加検査を行い、
より詳しく体の状態を確認します。

一方、問題がなかった場合でも、
「何もしなくてよい」という意味ではありません。

異常があれば → 早めの詳しい検査へ
問題がなければ → 定期的なチェックを継続

つまり、犬のがん検診は
「安心」か「早期対応」か、どちらに転んでも
次のアクションにつながる検査
なのです。

犬は不調を言葉で伝えられません

人の場合でも、がん検診の受診率は決して高くありません。
「自覚症状がないから大丈夫」「忙しくて後回しにしてしまう」
そんな理由で受診しない人は少なくないのが現実です。

犬の場合は、さらに難しさがあります。
犬は自分で不調を訴えることができません。
元気そうに見えても、体の中では静かに病気が進行していることもあります。

だからこそ、
飼い主さんが意識的に“気づくきっかけ”を持つこと
が大切になります。

「一次予防」という考え方

犬の平均寿命が延び、長く一緒に過ごせる時代になりました。
その一方で、シニア期に入ってから
病気や介護が必要になる期間が長くなるケースも増えています。

検診で病気を早期発見・早期治療する「二次予防」はもちろん、
病気になる前段階での対策、つまり病気になることそのものを防ぐ
一次予防(健康増進・生活習慣の改善・疾病予防)」の視点が、
これからはより重要になります。

犬のがん検診は、その一次予防の一環です。

何もない今だからこそ、考える

「検査を受けたからといって、すぐに何かが変わるわけではない」
そう感じるかもしれません。

しかし、知っているか、知らないかは大きな違いです。
知ることで、生活習慣やケアを見直したり、
獣医師と将来の健康管理について相談したりすることができます。

何も異常が見つからなければ、
それは「問題がない」という大切な情報です。
安心材料を得ることも、検査の大きな価値のひとつです。

何かあってから考えるのではなく、何もない今だからこそ考える。
それが、家族の一員である犬と向き合う、
一つの選択肢ではないでしょうか。


執筆者:朝岡紀行(獣医師)
神奈川県茅ケ崎市のアンジェス動物病院院長。
犬猫のホームドクターとして、
統合医療や高齢動物医療に深く携わる傍ら、
「犬猫の一次診療動物病院院長×馬も診る総合獣医師」としての
ビジョンを掲げ、現在は馬の臨床分野における
知見とネットワークを拡大中。
数年後の「小動物から馬までを網羅する総合獣医療体制」の
確立に向け、日々の診療と研究を重ねています。

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