2026年9月14日

大切な家族の『声なきサイン』を見逃さないために。
神奈川県茅ケ崎市、アンジェス動物病院 院長 獣医師の朝岡紀行です。
犬・猫の一次診療で培ってきた総合的な視点を基盤に、
現在は馬の健康管理・ウェルネスケアの分野にも活動を広げています。
小動物から馬までを視野に入れる“総合獣医師”として、
人と馬のより良い関係づくりにつながる獣医療とケアの可能性を探究しています。
Anges Horse Wellness Care Service
Healing Through Horses ~馬を通して、人が自分らしく羽ばたく~
愛犬のかゆみ、耳の赤み、皮膚の炎症、軟便や下痢が続くと、
「フードが合っていないのでは」と
心配になる飼い主さんは少なくありません。
食物アレルギーが関係することもありますが、
同じような症状はノミ、細菌感染、マラセチア、アトピー性皮膚炎
などでもみられます。
自己判断でフードを次々に変える前に、
まずは動物病院で状態を確認し、
必要に応じて除去食療法を計画的に行いましょう。
除去食療法とは?
始める前に、現在のフードやおやつ、サプリメント、歯磨きガム、
内服薬の名前をメモしておくと診察時に役立ちます。
写真を撮っておくと成分確認もしやすくなります。
除去食療法とは、食物アレルギーを確認するための食事管理ことで、
アレルギーの原因になり得る食材を避け、
条件を整えた食事だけを一定期間与えながら症状の変化を確認する方法です。
使用する食事には、
これまで食べたことのないタンパク質を使ったフードや、
タンパク質を細かく分解した加水分解フードなどがあります。
最も大切なのは、選んだ食事を例外なく続けることです。
少量のおやつ、人の食べ物、味付きの歯磨きガム、サプリメント、
薬の風味付け成分でも評価が難しくなることがあります。
家族全員で与えてよいものを確認し、
拾い食いや同居動物のフードにも注意しましょう。
どのくらい続けるの?
除去食療法は数日で判断する検査ではありません。
皮膚の炎症やかゆみが落ち着くまで時間がかかるため、
一般的には8〜12週間ほど継続して評価します。
途中で食事を変えると、
どの食材に反応しているのか分かりにくくなるため、
自己判断で変更しないことが大切です。
かゆみ、皮膚や耳の赤み、便の硬さ、食欲、
与えたものを簡単に記録しておくと、
診察時に経過を確認しやすくなります。
除去食療法中によくある困りごとと対応のポイント
1. フードを食べてくれない場合
療法食は診断に必要な条件を満たすことを重視して選びます。
切り替え直後は食いつきが落ちることもあるため、
・水やぬるま湯でふやかす
・人肌程度に温める
・食欲が出やすいタイミングに与える
などを試してみましょう。
食べない状態が続く場合は、別のフードへ変える前に
必ず獣医師へ相談してください。
2. おやつを与えたい場合
除去食療法中は、原則として指定された食事と水のみで管理します。
ごほうびが必要な場合は、
1日の給与量の一部を取り分けて使う方法が安全です。
市販のおやつには少量でも評価に影響する成分が含まれることがあるため、
与える前に動物病院で確認しましょう。
3. 便がゆるくなった、便の量が変わった場合
食事を変えると、便の硬さ、回数、量が一時的に変化することがあります。
・粒を砕く
・ふやかす
・早食いを防ぐ食器を使う
などで落ち着く場合もあります。
ただし、下痢が続く、嘔吐がある、元気や食欲が低下する、
血便がみられる場合は早めに動物病院へ連絡してください。
症状が改善した後の確認も重要です
除去食で症状が改善した場合、
食物アレルギーが関与している可能性が高くなります。
さらに確認するため、以前の食事や疑わしい食材を再度与える
「負荷試験」を行うことがあります。
症状が再燃する可能性があるため、必ず獣医師の指導のもとで進めましょう。
ご家庭で意識したいポイント
✔ 家族全員で、与えてよいものと避けるものを共有する
✔フード、おやつ、薬、サプリメント、歯磨き製品の成分を確認する
✔ かゆみ、便、皮膚、耳の状態を記録する
✔ 途中で自己判断せず、変化があれば獣医師に相談する
最後に
除去食療法は、食物アレルギーが疑われる犬の
原因を見極めるための大切な方法です。
成功のためには、決められた食事を十分な期間、
できるだけ厳密に続けることが欠かせません。
不安なことや変化があれば早めに動物病院へ相談し、
愛犬に合った食事管理を焦らず見つけていきましょう。

執筆者:朝岡紀行(獣医師)
・アンジェス動物病院 院長
・Anges Horse Wellness Care Service 主宰
犬・猫のホームドクターとしての一次診療に加え、
現在は馬の健康管理・ウェルネスケアにも取り組んでいます。
乗馬クラブや牧場における健康管理、飼養管理やケア体制への助言、馬の臨床獣医師との連携など、
現場の課題に寄り添いながら、新しいウェルネスケアの形を育んでいます。
私が目指しているのは、
「犬猫の一次診療動物病院院長 × 馬も診る総合獣医師」として、
犬・猫に加え、馬の健康を支えることを通じて、
人と動物がより健やかに共生できる社会づくりに貢献することです。
犬や猫、馬に関わる皆さまと知見を共有し、
新しい価値を共に創っていけることを楽しみにしています。
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をコンセプトに、人と馬のウェルネスを育むことを目指す取り組みです。
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