犬の外耳炎がなかなか治らないのはなぜ?-繰り返す原因と治療の考え方-|茅ヶ崎市のアンジェス動物病院|土日祝診療可で安心のペットケア

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犬の外耳炎がなかなか治らないのはなぜ?-繰り返す原因と治療の考え方-

犬の外耳炎がなかなか治らないのはなぜ?-繰り返す原因と治療の考え方-|茅ヶ崎市のアンジェス動物病院|土日祝診療可で安心のペットケア

2026年10月06日

犬の外耳炎がなかなか治らないのはなぜ?-繰り返す原因と治療の考え方-

大切な家族の『声なきサイン』を見逃さないために。
神奈川県茅ケ崎市、アンジェス動物病院 院長 獣医師の朝岡紀行です。

犬・猫の一次診療で培ってきた総合的な視点を基盤に、
現在は馬の健康管理・ウェルネスケアの分野にも活動を広げています。
小動物から馬までを視野に入れる“総合獣医師”として、
人と馬のより良い関係づくりにつながる獣医療とケアの可能性を探究しています。

Anges Horse Wellness Care Service
Healing Through Horses ~馬を通して、人が自分らしく羽ばたく~


「耳の薬を使うと良くなるけれど、しばらくするとまた赤くなる」
「何度治療しても、耳をかゆがる」
「耳垢やにおいがなかなかなくならない」

犬の外耳炎では、このようなご相談が少なくありません。
外耳炎は犬でよくみられる病気のひとつですが、
実は点耳薬を使うだけでは十分に改善しないことがあります。

外耳炎をしっかり治し、再発を減らしていくためには、

① 今起きている炎症を抑える
② 耳の中の環境を整える
③ 外耳炎を起こした背景を見つけ、再発を防ぐ

という3つの視点が大切です。

外耳炎は「病名」というより、耳に起きている「状態」

耳が赤い、かゆい、耳垢が増える、においがする――。
これらは外耳炎でよくみられる症状ですが、
重要なのは、
なぜその状態になったのかを考えることです。

外耳炎の背景には、一つだけではなく、
いくつもの要因が重なっていることがあります。

そのため、
「菌がいるから抗菌薬を使う」「耳垢があるから耳を洗う」
という治療だけでは、一度良くなっても
再び外耳炎を繰り返してしまうことがあります。

外耳炎には4つの要因があります

獣医療では、外耳炎の原因を整理する方法として
「PSPP分類」という考え方があります。

少し専門的ですが、飼い主さんにも知っていただくと、
なぜ外耳炎が治りにくいのかが分かりやすくなります。

1.外耳炎のきっかけとなる「主因」

外耳炎そのものを引き起こす、
いわばスタート地点となる原因です。
特に、何度も外耳炎を繰り返している場合には、
この主因が残っていないかを確認することが重要です。

主因が解決されていなければ、一度耳の状態が良くなっても、
再び外耳炎を起こす可能性があります。

例えば、アレルギーが
外耳炎の背景に関係していることもあります。

2.外耳炎を悪化させる「副因」

代表的なのが、細菌やマラセチアなどの微生物です。
これらが増えることで、
耳の炎症や耳垢、においなどが悪化します。

ただし大切なのは、
細菌やマラセチアだけが外耳炎の原因とは限らない
ということです。

微生物を治療して一度きれいになっても、
その背景にある原因が残っていれば、
再発を繰り返すことがあります。

3.外耳炎になりやすくする「素因」

耳の形など、外耳炎を起こしやすくする
体質的・構造的な要因です。
例えば、フレンチ・ブルドッグやボストン・テリアなどでは、
もともと耳の穴が狭いことがあります。

そのため、少し炎症が起きただけでも
耳道がさらに狭くなり、
外耳炎が悪化しやすくなる場合があります。

4.外耳炎を治りにくくする「永続因」

外耳炎が慢性化すると、耳の中そのものが
「治りにくい環境」へ変化していくことがあります。

耳には本来、耳垢などを少しずつ外へ運び出す働きがあります。
しかし、炎症によって耳道が腫れたり、耳垢が大量に増えたりすると、
この働きがうまくいかなくなります。

すると耳垢がさらにたまりやすくなり、
外耳炎がますます治りにくくなるという悪循環に陥ります。

「耳の菌を治す」だけでは足りないことがあります

外耳炎の診療では、
細菌やマラセチアが見つかると、
どうしてもそこに目が向きやすくなります。

もちろん、これらに対する治療は重要です。
しかし、外耳炎が繰り返す場合には、

「なぜ菌が増えたのか」
「なぜ耳の中で炎症が続いているのか」

まで考える必要があります。

再発する外耳炎では、菌だけではなく、
耳の構造や炎症、アレルギーなど、
複数の要因を一つずつ整理していくことが大切です。

症状が落ち着いた後こそ大切です

治療によって赤みやかゆみ、耳垢などが改善すると、
「治った」と思われるかもしれません。

しかし、繰り返す外耳炎では、ここからが大切です。

急性期の炎症が落ち着いた後に、
改めて外耳炎を起こした背景にある原因を確認します。

例えばアレルギーが関係していると考えられる場合には、
食事療法やアレルギーに対する治療を検討することがあります。

つまり、

「今ある外耳炎を治す治療」と
「次の外耳炎を起こさないための治療」は、

分けて考える必要があります。

繰り返す場合は「再発させない治療」も

何度も外耳炎を繰り返す犬では、
耳の状態が良くなった後も、
一定の間隔で点耳を続ける方法を検討することがあります。

症状が出てから治療するだけでなく、
良い状態を維持しながら再発を防いでいく*という考え方です。

外耳炎は、毎回ひどくなってから治療を繰り返すよりも、
できるだけ良い状態を長く保つことが重要です。

*再発する外耳炎では、プロアクティブ療法を考慮します。
これは状態が落ち着いた後、
週1~2回の持続的な点耳を継続して再発を防ぐ方法です。

外耳炎治療で大切なのは「基本を丁寧に行うこと」

外耳炎がなかなか治らないからといって、
必ずしも特別な薬が必要になるわけではありません。

大切なのは、

耳の中をしっかり確認すること。
必要に応じて耳垢や微生物を調べること。
耳道をきれいな状態に整えること。
そして、その状態に合った薬を使うこと。


さらに、再発する場合には、その背景にある原因まで考えていきます。

「耳の薬を使っているのに、なかなか治らない」
「一度良くなっても、すぐに繰り返してしまう」

そのような場合には、単に薬を変更するだけではなく、
外耳炎を起こしている背景からもう一度見直すこと
が解決への近道になるかもしれません。

外耳炎は、目の前の炎症を治すだけでなく、
「なぜ外耳炎になったのか」を一緒に考えていくことが、
再発を減らすためにとても大切な病気です。


執筆者:朝岡紀行(獣医師)
・アンジェス動物病院 院長
・Anges Horse Wellness Care Service 主宰

犬・猫のホームドクターとしての一次診療に加え、
現在は馬の健康管理・ウェルネスケアにも取り組んでいます。
乗馬クラブや牧場における健康管理、飼養管理やケア体制への助言、馬の臨床獣医師との連携など、
現場の課題に寄り添いながら、新しいウェルネスケアの形を育んでいます。
私が目指しているのは、
「犬猫の一次診療動物病院院長 × 馬も診る総合獣医師」として、
犬・猫に加え、馬の健康を支えることを通じて、
人と動物がより健やかに共生できる社会づくりに貢献することです。
犬や猫、馬に関わる皆さまと知見を共有し、
新しい価値を共に創っていけることを楽しみにしています。
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をコンセプトに、人と馬のウェルネスを育むことを目指す取り組みです。

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