2026年4月17日

大切な家族の『声なきサイン』を見逃さないために。
神奈川県茅ケ崎市、アンジェス動物病院 院長 獣医師の朝岡紀行です。
最近、
「“高齢者によるペットの飼育放棄”が社会問題になっている」、
という記事を目にしました。
正直、他人事とは思えませんでした。
今は元気でも、
この先10年、20年先はどうだろう。
ふと、そんなことを考える年代に差しかかっている人も多いのではないでしょうか。
ペットも人も、長く生きる時代になった
医療やフードの進化で、犬や猫の寿命は以前よりずっと延びました。
それ自体は喜ばしいことですが、同時に
「最後まで面倒を見られるか」
という現実的な問題もついてきます。
50代は、
• 仕事の責任が重くなる
• 親の介護が視野に入る
• 自分自身の体力や健康にも変化を感じ始める
そんな時期でもあります。
ペットとの暮らしを続けたい気持ちがあっても、
「もしもの時」を考えると、
不安がよぎるのも自然なことだと思います。
「本当は、できる限り一緒にいたい」
50代以上のペット飼育者を対象にした調査では、
約8割の人が「できる限りペットと長く暮らしたい」
と答えています。
一方で、約2割は
「年齢を理由に、将来的に手放すことも検討している」
という結果も。
気持ちと現実の間で揺れている人が、決して少なくないことが分かります。
ペットと入れる老人ホームという選択肢
そんな中で知っておきたいのが、
「ペットと一緒に入居できる老人ホーム」の存在です。
意外なことに、
ペットを飼っている人の6割以上が
「そんな施設があることを知らなかった」そうです。
そのような施設の数はまだ多くありませんが、
• ペットと離れずに暮らしたい
• いざという時の選択肢を残しておきたい
と考える人が増え、少しずつ注目され始めています。
老人ホーム選びで「ペット可」を重視する人は多い
調査では、
「ペットと一緒に入れることを重視したい」
と答えた人が6割以上いました。
ペットがいることで、
• 生活リズムが保たれる
• 毎日の散歩などで体を動かす習慣ができる
• 日々の張りや役割が生まれる
こうしたメリットは、年齢を重ねるほど実感しやすいのかもしれません。
ただし、不安や確認点も多い
一方で、現実的な不安もあります。
多く挙がっていたのは、
• 他の入居者にペットへの理解があるか
• 共同生活でトラブルにならないか
• 自分が亡くなった後、ペットはどうなるのか
という点でした。
老人ホームは「個人の住まい」であると同時に、
「共同生活の場」でもあります。
ペット可といっても、
施設ごとにルールや考え方は大きく異なります。
「ペット可」だけで判断しないことが大切
ペットと入れる老人ホームを検討する際は、
• 入居費用や管理費(ペット分が上乗せされることも)
• 飼えるペットの種類・大きさ・頭数
• 散歩や共用スペースでのルール
• 飼い主が世話できなくなった場合の対応
• 逝去後のペットの扱い
といった点を、事前に具体的に確認しておく必要があります。
「その時になって考える」ではなく、
元気なうちに情報だけでも知っておくことが、安心につながります。
50代の今だから、考えておきたいこと
ペットは家族。
でも、人生は長く、状況は変わります。
今すぐ入居を考える必要はなくても、
• 将来の選択肢を知っておく
• 家族や保証人になる人と話題にしておく
それだけでも、気持ちはずいぶん違うはずです。
「最期まで一緒にいたい」という思いを、
無理なく現実に近づけるために。
50代の今だからこそ、
少し先の暮らしを想像してみてもいいのかもしれません!
