2026年2月05日

大切な家族の『声なきサイン』を見逃さないために。
神奈川県茅ケ崎市、アンジェス動物病院 院長 獣医師の朝岡紀行です。
近年、マダニが媒介する感染症「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」が全国的に広がりを見せています。
死亡率が高く、ヒトだけでなく犬や猫にも深刻な影響を及ぼすこの病気。
正しい知識と対策が、あなたと大切な家族、ペットを守る鍵となります。
SFTSとは?その危険性
SFTSは、マダニが媒介するウイルス感染症です。
ヒトが感染すると発熱、白血球・血小板の減少、嘔吐や下痢などの症状が現れ、
死亡率は約27%と非常に高いことが特徴です。
さらに、感染動物(犬や猫)の体液からもヒトに感染することが判明しており、
ペットを飼っている方は特に注意が必要です。
都市部でも油断できない!マダニの生息域拡大
「市街地だから大丈夫」と思いがちですが、
都市部でもマダニの生息やSFTS感染例が報告されています。
野生動物の都市進出や温暖化の影響で、マダニとの接触機会が増加しています。
2020年には関東圏でも犬猫の感染が初めて報告され、
今や全国どこでもリスクがある状況です。
季節を問わず注意が必要
「春夏だけ気をつければいい」と考えるのは危険です。
マダニは気温が10℃を超えると活発に活動しますが、
種類や地域によっては冬でも活動することが知られています。
温暖化の影響で活動期間が長くなっているため、
年間を通じた対策が求められます。
ペットも重症化するリスク
SFTSはヒトだけでなく、犬や猫も重症化するリスクがあります。
猫の致死率は約60%、犬でも44%と高く、
血小板や白血球の減少、発熱、嘔吐などの症状が見られます。
特に猫は重篤化しやすく、屋外に出る猫ほど感染リスクが高まります。
駆虫薬の役割と限界
「駆虫薬は吸血したマダニを駆除するだけで、SFTS防御には効かないのでは?」
という疑問もあります。
確かに、駆虫薬がウイルス感染を完全に阻止する科学的根拠はありません。
しかし、速効性のある駆虫薬はマダニの寄生を最低限に抑え、万が一感染した場合にも
SFTS保有マダニを拡散して新たな感染源になってしまうリスクをを減らすため、
定期的な投与が推奨されています。
日常でできる予防策
✅散歩コースの見直しや、外出後の全身チェック
✅長袖・長ズボンの着用(ペット用の服も有効)
✅猫は完全室内飼育を徹底
✅定期的な駆虫薬の投与
これらの対策を組み合わせることで、感染リスクを大幅に減らすことができます。
最新の気づきと今後の課題
1.気候変動と感染症リスク
温暖化によるマダニの活動期間延長は、今後さらに感染リスクを高める可能性があります。
地域や季節に関係なく、油断せず対策を続けることが重要です。
2.ペットからヒトへの感染ルート
ペットを介したヒトへの感染事例が増加しているため、
ペットの健康管理が家族全体の健康を守ることにつながります。
3.情報のアップデート
SFTSに関する研究は進んでおり、
今後新たな予防法や治療法が登場する可能性もあります。
信頼できる情報源から最新情報を得る習慣を持ちましょう。
まとめ
SFTSは決して他人事ではありません。
都市部でも、季節を問わず、
ペットを通じて家族に感染するリスクがあることを認識し、
正しい知識と対策を実践しましょう。
日々の小さな工夫が、あなたと大切な家族・ペットの命を守ることにつながります。
このブログ記事が、SFTSへの理解と予防行動のきっかけとなれば幸いです♡
