当院では「優しい治療」と「高度医療」をご提案するために
獣医科用半導体レーザーを導入しています。
フォトバイオモジュレーション(Photobiomodulation:PBM)療法は、赤色光や近赤外光を照射することで細胞内に光化学的変化を引き起こし、細胞の増殖や分化を促し、組織の修復・治癒を促進させることを目的とした治療法です。
多くの場合で無麻酔・局所麻酔で治療が可能なため、高齢で手術が難しいワンちゃんやネコちゃんに対しても負担の少ない治療が可能です。
治療前
治療前
治療後
治療前
治療前
治療後
レーザーサーミア療法では、レーザーを熱源として腫瘍の内部温度を上昇させて腫瘍細胞のみを破壊します。腫瘍内部で細胞が破壊されるという直接的な効果だけでなく、破壊された細胞に対して免疫細胞が賦活化し、残る腫瘍細胞を免役細胞が破壊するという効果も期待できます。
手術適応外の腫瘍などでも使用可能ですが、寛解(完治)を目的にするのではなく、レーザーを体内に照射し約42.5℃に温めることで、少しでも腫瘍の縮小または進行を遅らせることが目的です。
また、癌性疼痛の緩和に有効であり、様々なQOL(生活の質)の改善にも効果が期待できます。
ICG(インドシアニングリーン)という色素が、レーザー光を良く吸収することを利用した治療法です。
ICGを患部に注入、もしくは塗布した後にレーザーを照射すると、そのICGが存在する部位のみ凝固または蒸散を行うことができます。ICGの存在するところにレーザー光(熱)を集中させることで、周囲の正常な組織のダメージを減らします。
治療目的は緩和治療になりますが、腫瘍サイズの縮小や痛みの軽減などが得られます。
半導体レーザーは、一般的な電気メスと比べてより止血・切開能力が優れています。そのことにより、出血がほとんどない手術が可能になります。また、レーザーを使用して切開した箇所の痛みは、メスや電気メスで切開したものに比べて痛みが少ないことが分かっています。
また、半導体レーザーを使用することにより、管腔組織や血管を縫合糸で結紮することなく離断(シーリング切開)することが可能です。腹腔内に縫合糸などの異物を極力残さないことで、体内に残る縫合糸が原因となっておこる肉芽腫(縫合糸反応性肉芽腫)のリスクが少なくなります。
去勢手術・避妊手術における
血管のシーリング
乳腺腫瘍における止血・切開