獣医科用半導体レーザーを用いた抗ガン治療(レーザーサーミア療法)について、最近お問い合わせを多くいただきます。
レーザーを熱源として腫瘍の内部温度を上昇させて腫瘍細胞のみを破壊します。腫瘍内部で細胞が破壊されるという直接的な効果だけでなく、破壊された細胞に対して免疫細胞が賦活化し、残る腫瘍細胞を免役細胞が破壊するという効果も期待できます。
手術適応外の腫瘍などでも使用可能ですが、寛解(完治)を目的にするのではなく、レーザーを体内に照射し約42~43℃に温めることで、少しでも腫瘍の縮小または進行を遅らせることが目的です。
ICG(インドシアニングリーン)という色素を併用した治療も可能です。ICGがレーザー光を良く吸収することを利用した治療法で、レーザー光(熱)を集中させることで、周囲の正常な組織のダメージを減らします。
治療目的は緩和治療になりますが、腫瘍サイズの縮小や痛みの軽減などが得られます。
7~10日で腫瘍細胞が壊死・吸収されるため、7~10日間隔で最低4回を目安に実施します。
また、癌性疼痛の緩和に有効であり、様々なQOL(生活の質)の改善にも効果が期待できます。この場合、週に1回×4回、その後2週に1回×4回(合計3ヶ月間、8回)が目安になります。